導入事例

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住友商事株式会社様

業種:
卸売業・小売業

利用用途:
案件管理・台帳管理

使用製品:
krewSheet

住友商事株式会社 メインビジュアル

短期的なプロジェクト管理はkintoneで行う、そのために必要なのがkrewSheetによるExcel UIだった

住友商事株式会社のルーツとなる大阪北港株式会社は1919年12月に設立され、1952年に改称し、1955年に上場した。2019年の12月24日に100周年を迎えるため、それに合わせて昨年に大手町プレイスのイーストタワーへオフィス移転をしている。誰もが知る総合商社で、66の国や地域でグローバルに展開している。社員数は5295人、海外や支社、連結対象会社を入れると約6万5000人にもなる大きな企業だ。事業会社数としても600社、持分会社も300社を超えており、その中でいろんな業種、業態の人が働いている。同社では、大きく分けて金属事業、輸送機・建機事業、インフラ事業、メディア・デジタル事業、生活・不動産事業、資源・化学品事業の6つの分野の事業を行っている。今回はkintoneと「krewSheet」を導入している輸送機・建機事業部門 業務部の クオリティーマネジメントサポートチーム 部長付 柏倉将吾氏、池田紗樹子氏、人事チームの増田遥香氏にお話を伺った。

【課題】Excelに慣れ親しんだ現場がkintoneを使うことに難色を示す

輸送機・建機事業部門では、自動車事業、リース・船舶、航空宇宙事業、建設機械事業を展開している。自動車から船舶や航空・宇宙まで、幅広いビジネスを手がけている。それぞれ独立した組織を構築しており、5つの事業本部を構える。柏倉氏たちが所属している輸送機・建機業務部(以下、業務部)は、輸送機・建機事業部門の各営業部署とコーポレートをつなぐミドルオフィスとなる。その中で、柏倉氏と池田氏はIT関連のサポートを、増田氏は人事をそれぞれ担当している。

業務部では関係会社を含む現場で発生した事故事案の管理を行っている。2年ほど前までは、事案の進捗管理とレポート作成をExcelで行っており、その更新作業に事務職の人が多大な時間をかけていたとのこと。

部長付 柏倉将吾様
部長付 柏倉将吾様
輸送機・建機業務部
クオリティーマネジメントサポートチーム

「Excelの場合はひとつの案件を横1行で管理しているので、アップデートがあると、進捗という列のセルに情報を追記しますが、1セルの中にたくさんの文字が入るので見づらいし、紙に印刷するのも大変でした」(柏倉氏)

こういった管理業務における閲覧性の悪さ、更新のし辛さがきっかけで、業務支援ツールを検討し始め、いくつかの候補の中にあった「kintone」に関心を持った。自分たちで自由に作成できるツールだったという理由で採用。そして2017年6月、業務部と各事業本部の事務職の人たちを中心に、10アカウント程で情報を共有するためにトライアル導入した。

「初めてのアプリは、内部統制を担当している人が主体となって作成しました。トライアルで実際に作って動くか試したところ、本当に簡単に作れたので驚きました。正直なところ、もし我々で手に負えなかったらやめてもいいかな、という感じでスタートしたのですけれども」(柏倉氏)

その後事業部門内で働き方改革の一環として、RPAの導入を進めることになった。

「業務部が主体となって各営業現場にRPAを導入していくプロジェクトであったため、RPA化の対象となる業務の案件管理をする必要がありました。また、RPAの開発はIT関連のパートナー会社に委託していたため、開発の進捗も同時に管理する必要がありました。こういったプロジェクト管理を一元的に管理するツールとしてすでに導入済みのkintoneが使えるのではないか、と考えました」(柏倉氏)

早速、柏倉氏は案件の管理アプリをkintoneで作成し、グラフを使って可視化できるようにした。プロジェクトの進捗を入力しさえすれば、効果がいつでも見えるようになり、kintoneの有用性を実感。業務部以外の事業本部でのプロジェクト管理にも使えるのではないかと考え、部門全体でkintoneを使える人たちを増やしていくことになった。

krewSheetで作成したRPA案件の一覧画面
krewSheetで作成したRPA案件の一覧画面

これが、2018年1月のこと。しかし、いざ事業本部の営業の人たちにkintoneを使ってもらおうとしたところ、視認性や使い勝手の面で不満が出たという。

「Excelの方が見やすいと言うのです。kintoneの見た目のままだと、今までやっていた業務が変わるように見えたようであまり良い反応を得られませんでした。」(柏倉氏)

慣れ親しんだExcelの使い勝手とは違うものに変えようとすると、現場から反対の声が上がるというのはよくある話。せっかく、業務効率を改善できるチャンスなのに、すんなりとは進まなかったのだ。

【導入】ExcelのUIで利用ハードルが下がりkintoneの利用を促進できた

業務部の人たちは問題なくkintoneを利用でき、業務効率改善の役に立つアプリも作成できている。実際に自分たちの業務にも役立てており、なんとか各事業本部の営業にも使ってもらいたいと考えた柏倉氏は、データをインプットする画面が、Excelと同じになるプラグインを探し、そこで「krewSheet」に出会った。

「krewSheetを試したときは、最初にkintoneアプリを作った時にあればよかったのにと感じました。RPAのプロジェクトは40件くらいのロボット開発が並行して動いていて、複数の案件の進捗状況の更新をkintoneの標準画面で1件1件行っていたので、しんどかったです(笑) 今は「krewSheet」が入っているので、とても快適です」(柏倉氏)

ちなみに、同社ではkintoneをトップダウンで使うように指示はしていない。使いたい人だけが申請するというスタイルだそうだ。それは総合商社ならではの事情によるものだと柏倉氏。

「総合商社には多様な業界の事業部が社内に共存しており、例えば、リース・船舶・航空宇宙事業が同じ組織にいたりします。そのため、同じ本部内であっても同じ業務をしているわけではありません。財務・会計といった基幹業務であれば共通のシステムをトップダウンで入れることも可能ですが、業界や事業形態に応じて日々変化していく必要がある現場業務では難しいなと。そのため、必要なものを必要に応じて使用するという考え方が重要ですし、それを安価に実現してくれたのがkintoneだったと思っています。」(柏倉氏)

必要性を感じ、自分から使いたいと思ってもらえるように、kintoneを周知することが業務部の目標だという。そのためにまず業務部内で使っているアプリにkrewSheetを適用し、活用方法やメリットを業務部内でしっかり把握するようにしたそうだ。

「「krewSheet」を導入して、まず業務部が利用しているアプリに適用してみました。RPAの案件台帳をExcelライクな画面で表示させたところ、一覧上でデータを見ながらデータを打ち込んだり、ステータスを会議で確認しつつコピー&ペーストでまとめて変更したりできるのが、すごく便利だなと感じました」(池田氏)

それまでは会議をしながらでも1回1回、右の編集ボタンを押して、保存するということを繰り返していたところが、会議のテンポに遅れずに一覧上でダイレクトにデータを入れられるようになり、劇的に作業効率が向上したそう。

輸送機・建機業務部 クオリティーマネジメントサポートチーム 池田 紗樹子様
池田 紗樹子様
輸送機・建機業務部
クオリティーマネジメントサポートチーム

【導入効果】作業時間短縮に加えて業務のクオリティも向上した

こうして2018年7月に「krewSheet」を導入して準備が整ったとはいえ、どうぞアプリを自由に作ってください、と言っても浸透するわけがない。そこで池田氏は業務で実際に使っているアプリを元に事業本部でも使えそうなアプリテンプレートをオリジナルで作成し事業本部に配布したそうだ。

契約書の期限を管理する台帳や各部が企画したイベントの参加者のとりまとめアプリ、TODO管理アプリなどを作り、「krewSheet」を適用した状態で使ってもらうようにしたのだ。「krewSheet」を最初から適用することで、kintoneがExcelライクな画面になり導入ハードルを下げる効果をもたらしているようで、営業の中にも使ってみようかなと言う人が出てきたという。

「営業の人たちには「krewSheet」ありきで配っているので、実は「krewSheet」のありがたみをよくわかってない人が多い。大量のデータを入力する大変さをわかっているのは、僕だけです」と柏倉氏は笑った。

krewSheetの機能のうち便利に活用されているのは、「krewSheet」のセルが自動的に結合する機能だそう。池田氏は、セミナーの参加者のとりまとめアプリにこれを活用している。kintoneの一覧の設定で日程や会社、部署ごとにソートするようにしておき、krewSheetでは同じ値が入力されたら自動的に結合(マージ)するように設定。すると、同じ値は1セルに自動結合され、キレイにまとめて表示できるようになるという。この機能はExcelにはなく、Excelの手作業時代は自分で並べ替えたり、結合させたり解除させたりというのが手間だったので、とても助かっているそう。

krewSheetで作成した社内セミナー参加者の取りまとめアプリの一覧画面
krewSheetで作成した社内セミナー参加者の取りまとめアプリの一覧画面

人事業務を担当する増田氏は発注管理や労務管理でkrewSheetのExcel関数を活用しているという。

「私は発注管理アプリを作りました。経理処理をするときに、科目を振り分ける必要があるのですが、科目名を入れたら基幹システムに入れるコードが自動的に出てくるような数式を組みました。他には、全社の人事システムからだけでは得られない、年齢や契約通算期間等の情報を「krewSheet」の関数を使って計算しています。標準機能にはない複雑な計算式が使えるので、データ管理で活用できる範囲が広がりました。」(増田氏)

さらに、kintone IDを管理するアプリでもkrewSheetの機能をフル活用している。金額や利用期間に合わせて費用を計算したり、条件付き書式で入力しなければいけない項目は黄色く表示し、入力したら白抜きにして、入力ミスを防止する工夫も凝らしている。さらに期限が近づいたら、赤く表示し、見逃しも防いでいるのだ。

輸送機・建機業務部 人事チーム 増田 遥香様
増田 遥香様
輸送機・建機業務部 人事チーム

導入効果としては、事故事案の管理作業に数時間かかっていたところが、数十分に短縮されている。しかし、時短と言うよりは、新しいことができるようになったというメリットも大きいと柏倉氏は語る。

例えば、Excel時代の作業では、台帳に入力したデータの進捗確認などは後日、忘れないようにがんばって自分で確認していたのが、kintoneでは、通知機能で、リマインダーを飛ばしたり条件を設定したりするなどして自動で行えるようになったそう。これは、削減時間が増えたというよりは、業務の質が上がったと言っていいだろう。他にも、従来はTODO管理をメールで行っていたため読み飛ばしがちだったところ、kintoneに入れるようになったので、過去のデータとして蓄積されるようになった。コメント欄でも気楽なコミュニケーションが行われているという。

業務部では、社内のkintoneユーザーを増やすための努力も続けている。池田氏と増田氏のおふたりは、月に2~3回、社内でkintoneの勉強会を開催しているそう。kintoneでできることをいろいろと説明していると、「Excelよりもkintoneの方が便利だね」と言ってもらえることもある。現在はkintoneの基本的な機能や設定方法を解説し、知ってもらうことが中心の内容とのことだが、今後はアプリを自分で考えて作り出せるようになってもらう相談会の実施も考えているそうだ。

利用しているアカウント数は、導入当初は10前後で、2019年3月には150くらいになり、現在は300を超えている。大きなトラブルもなく、順調にkintone + krewSheetを広げているのがすごい。

「kintoneでできることって、がんばればExcelでも紙でも電卓でもできると思いますし、まだExcelや紙でがんばってしまうことも多いのですが、kintoneを活用してもっと楽にできるといいですね。kintoneをよく知ってもらえれば、自分の業務を楽にしたり、効率化したり、よりミスを減らすことが可能です。また、最近はTry & Errorを繰り返す短期のプロジェクトが増え、蓄積したいデータや管理のメッシュが変わることも多くなってきたので、柔軟性が必要なプロジェクトの管理ツールとしてもkintoneは優れているなと思います。」と柏倉氏は語ってくれた。