導入事例

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日産自動車株式会社様

業種:
製造業

利用用途:
コスト管理・品質管理

使用製品:
krewSheet・krewData・krewDashboard

日産自動車株式会社 メインビジュアル

Excelに慣れた海外バイヤーにも受け入れやすい環境を整備
業務の自動化や正確な意思決定に貢献するkrewシリーズ

日産自動車株式会社では、研究開発から部品調達、車両組み立て、物流まで含めたコスト競争力を発揮するための活動を継続して行っており、その重要な役割を果たす購買部門では予実管理を含めた価格ベンチ―マークをkintone上で実現。このkintoneを活用するバイヤーの入力支援を中心にグレープシティの「krewSheet」を利用しながら、収集した情報の集計作業に「krewData」を、可視化のために「krewDashboard」を導入している。そんなkrewシリーズ導入の背景について、共同購買本部 購買管理部 塩田 千賀子氏にお話を伺った。

【課題】Excelに慣れてしまった海外のバイヤーへの使い勝手向上が課題に

為替の影響を受けやすい調達業務に柔軟に対応すべくkintoneを活用

“人々の生活を豊かに”というVISIONの下、160以上の国や地域に自動車およびサービスを提供している日産自動車株式会社。2017年度から6か年計画で取り組んでいる「Nissan M.O.V.E. to 2022」を現在展開しており、ルノーと三菱自動車とのアライアンスによるメリットを活かしながら、持続可能な成長の実現を目指している。また、電気自動車をはじめ、自動運転やコネクテッド・カー、新たなモビリティ・サービスの加速化といった技術の進化に取り組むなど、「ニッサン・インテリジェント・モビリティ」を通じて新たな技術と商品を提供し続けている。

そんな同社で調達関連業務をサポートしている購買管理部では、世界各国に点在している部品調達バイヤーに求められている調達価格の適正把握に向けて、基幹システム内にそれぞれ管理されている部品価格や車種ごとの部品情報をサイボウズが提供するkintoneにて集約、必要な通貨で一覧比較できる仕組みを構築している。「各国からのデータを集めて管理するのは基幹システムが適しています。しかし、部品の調達価格はさまざまな経済環境変化が大きく影響するため、変化に柔軟な対応が欠かせません。我々はスピードと変化に耐えられるソリューションを求めており柔軟にシステムサポートができる環境が必要だったのです」。そんな背景もあって、購買管理部ではkintoneを積極的に活用している状況にあるという。

kintoneに慣れていないバイヤーへの対応にカスタマイズで対応

その後もExcelを中心に行ってきた業務の多くをkintoneに移行してきたが、入力したExcelの情報を直接アップロードするという運用が、kintoneに慣れていない海外のバイヤーにとってハードルが高い状況が続いていた。
また、収集した情報の集計作業に時間がかかっていたため、外部パートナーに委託して複数アプリの情報を結合、集計するようなプラグインをカスタマイズして作成するなど、使い勝手を高める環境づくりを行ってきた経緯がある。
それでも、カスタマイズだけでは限界があった
と塩田氏は当時を振り返る。「kintoneの使い勝手を向上させるべく、自社独自のプラグインを作り込んでいました。慣れると使いやすいはずなのですが、Excelに使い慣れたバイヤーからはさらなる改善が期待されていたのです」。

共同購買本部 購買管理部 塩田 千賀子様
塩田 千賀子様
共同購買本部 購買管理部

【導入】kintoneの魅力を高める「krewシリーズ」でカスタマイズから脱却

まさしくExcel同様のインターフェースで自社にあったものだと直感

そんな折、サイボウズが主催する展示会で見かけたのが、グレープシティが提供を開始したばかりのkrewSheetだった。「便利なkintoneでも、初めて触る人にとっては違和感を持つケースも正直あります。まさしくExcel同様のインターフェースが提供可能なkrewSheetであれば、初見でもシステムになじみやすい。まさに衝撃を受けた瞬間でした」と塩田氏。従来のExcel運用では、統一されたフォーマットを崩されてしまうことも度々あったが、krewSheetを使えばその心配もない。自社の環境に適したものだと塩田氏は直感したという。

そこで、まずは部品に使用するマテリアルに関連した情報を管理するアプリにkrewSheetを導入してみることに。「車1台作るために必要な鉄などの重量や価格の情報をグローバルで収集していますが、マテリアル担当者からは全てExcelで情報が寄せられます。その際に、マテリアル担当者独自の判断で勝手に列を挿入してしまったり、そもそもkintone上にアップロードし忘れたてしまったりなど、運用での課題が顕在化していました。krewSheetによって入力しやすい環境を整備したことで、業務の改善に大きく貢献したのです」と塩田氏。

リリース直後の導入で効果を実感した「krewData」「krewDashboard」

ただし、krewSheetでExcelライクな使い方が実現できたとしても、特定の業務に関しては、引き続きカスタマイズにて対応せざるを得なかったという。「krewSheetだけでは、情報の付加やデータ集計、シンプルなグラフを活用したレポート作成などには対応できません。その都度専用のプラグインを個別に作り込むほかありませんでした」と塩田氏。そんな課題に直面してから数か月後、kintoneアプリ内のデータ集計や加工、アプリ間結合が可能な「krewData」やピボットテーブルなどで可視化が容易になる「krewDashboard」のリリース情報を聞きつけたという。

すでに運用していたkrewSheet内のデータ集計や得られた情報のレポートをシンプルに実現できるツールとして、krewDataやkrewDashboardを導入することを決断。工場ごとに必要な調達先を物流の視点から価格ベンチマークする仕組みに適用し、その効果を実感することに。「各調達先の価格を色々な視点でベンチマークする為に複雑なExcelの計算式を駆使していましたが、新入社員などExcelに不慣れな人はベンチマーク表を作成するだけでも工数が掛かります。また、誤った計算式でベンチマークをしてしまうと、誤った判断をしてしまいますが、krewDataを導入したことにより、誰が実施しても早く正確な数字を出すことができ、工数と正確さ両方のメリットを出すことができました」。

導入後に実際の効果を実感したことで、これまでExcelで行ってきた調達業務に関連した業務基盤として、kintoneをベースにkrewシリーズをフル活用することになる。

なお、kintoneでのシステム構築と運用については、日立ケーイーシステムズの畠野氏が支援している。畠野氏は長きにわたりkintone活用のサポートを行っており各種用語や業務に関する理解も深いため、krewシリーズをスムーズに適用することができたという。

日立ケーイ―システムズ 畠野 幹治様
畠野 幹治様
日立ケーイ―システムズ

【導入効果】業務効率化と透明性の担保に寄与するkrewシリーズ

車種ごとのマテリアル情報管理に活用

現在は、kintoneによって作成された500を超える業務アプリの3割ほどにkrewSheetが適用され、世界中のバイヤーやマテリアル担当者が利用する調達関連業務のサポートとして広く利用されている。krewDataで作成されたフローは30ほど、必要に応じてkrewDashboardのピボットテーブルでグラフ化している状況だ。「情報閲覧が中心のアプリはkintoneの標準画面をそのまま利用していますが、第三者がkintoneにデータ入力したり加工したりすることがある場合にkrewSheetを適用しています」。

具体的な活用例を見てみると、マテリアルの使用量を車種ごとに把握するための情報集約アプリでは、時系列に拠点ごと、材料ごとの情報がkintone上で管理されているが、グローバルで50名ほどのマテリアル担当者が毎月Excelで情報提供していたものを全てkrewSheet入力に切り替えている。また、得られた全拠点の情報をkrewDataで自動的にマージしたうえでkrewDashboardにてグラフが自動生成されるようになっている。「以前は全て手作業で集計していましたが、今はkintoneとkrewシリーズを組み合わせることで自動化に成功し、効果が得られています」と塩田氏は評価する。

マテリアル情報管理でのkrewの導入効果
マテリアル情報管理でのkrewの導入効果
判断材料の透明性を確保したkrewDataによるフロー化

また、取引先が部品を工場まで運ぶルートの最適化を色々な角度から確認する為「物流業者から色んなパターンの輸送費などの情報をExcelで収集しています。どのパターンが最適なのか?手作業で集計していた業務をkrewDataにてフロー化し、今ではボタン1つで結果が表示できます」。特に大きな効果は判断材料の透明性の視点だと塩田氏は力説する。「新たなバイヤーが担当しても、krewDataによってフローが自動化されていることでミスが発生しない環境が整備できました。新人が手作業で集計してミスするようなことは誤った意思決定を誘発する事になり許されることではありません。プロセスが可視化でき、かつリスクも軽減できるようになったのは大きな効果です」と塩田氏は評価する。また、従来は価格ベンチマークのメソッドを継承することが困難だったが、今はkrewDataでフロー化したことでノウハウも容易に継承できるようになったという。

特にkrewDataによる複雑なフローを用いて自動化しているのが「台当たり管理」に関するものだ。部品ごとに基点となる数字と変動情報、そして年初に設定する目標達成計画を入力し、それぞれ価格変動の要因を詳細に管理している。「価格改善に至る要因を含めて、予実管理や目標到達状況の確認を毎月行っています。期初に入力した基点情報や毎月発生する変動情報、そしてコスト削減に至る要因の数値をkrewSheetに入力。夜間バッチによって車種情報と変動情報をマッチングさせ、目標達成計画に対して何の要因でコスト削減が進んでいるのか、krewDataのフローによって自動的に突合、集計し、最終的にkrewDashboardの折れ線グラフにて可視化できるようになっています。全て手作業で行っていた以前に比べて、かなりの業務効率化削減効果を生んでいます」と塩田氏は説明する。

台当たり管理の概念図
台当たり管理の概念図
サプライヤーのコスト管理や品質管理など調達関連業務に役立つkrewシリーズ

他にも同社では、調達部品に関する原材料だけでなく、部品の不良品などの情報をもとにサプライヤーの品質管理を行っている仕組みでは、関連会社ごとにkintoneへ入力された情報をkrewDashboardにてグラフ化。他にも、社内で利用するシステムのID申請などでは、フォームブリッジにて各バイヤーが申請し、その申請状況をサブテーブルにて表示可能なkrewSheetにて管理することで優れた視認性で申請状況が可視化できるようになっている。「日本の購買部門には人事的な機能も部内に備わっています。基幹システムなど複数のシステムにある人事情報をバッチ処理で取得し、krewDataを使って複数の情報を統合して表示するような使い方にも役立っています」と塩田氏。
なお、同社ではルノーと三菱自動車とのアライアンス関係があり、3社でどのサプライヤーからどんな部品をどの程度購入しているのかといった情報も、元データをそれぞれ取得したうえでkrewDataにて集計、役員をはじめとした経営層への情報提供も行っている状況だ。

調達関連業務にkintoneおよびkrewシリーズを活用するようになったことで、Excel集計などの業務が簡素化できただけでなく、これまで外部に依頼していたプラグインによるカスタマイズが最小限で済むようになり、プロセスの自動化による業務効率化も得られていると塩田氏は評価する。krewDataでフロー化することで業務の可視化が実現でき、何を処理しているのかが周囲とも共有しやすい点も大きな効果だと塩田氏。

kintoneおよびkrewシリーズを社内およびアライアンス全体に普及させたい

今後については、関係会社も同様の仕組みを活用してもらうなどアライアンス全体で大きな効果を発揮していきたいという」と最後に語っていただいた。

この事例の導入支援パートナー

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株式会社日立ケーイーシステムズ

30年以上の経験と実績をもつSI会社。ソフト開発、ハード開発を含めたシステム設計、システム開発、サービスを主要事業としている。