導入事例

京王電鉄株式会社 ロゴ

京王電鉄株式会社

業種:
運輸業

利用用途:
予算管理、従業員管理等

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低予算 × スピード でまず結果を出す。それから拡大。
専門知識がなくても構築・運用できる
kintoneとkrewSheetで業務改善がグループ内に急速進行中

京王電鉄株式会社は昭和23年に設立されたが、前身となる京王電気軌道は大正2年に開業しており、2013年には京王の電車・路線バスの開業から100周年を迎えている。連結会社は48社、営業収益は4475億円(2018年度)という京王グループの中核企業で、経済産業省が選ぶ「健康経営優良法人(ホワイト500)」に3年連続で認定された。

そんな京王電鉄では2017年からkintoneを導入し、グループ横断的にインシデントを管理するセキュリティポータルなど様々な業務でkintoneを活用。予算管理などレコード数の多いアプリでは、「krewSheet」を採用している。
「krewSheet」導入以前の課題やkintoneとの出会い、導入効果について京王電鉄株式会社 経営統括本部 IT管理部長 虻川勝彦氏とグループIT担当 課長補佐 高田英明氏にお話を伺った。

【課題】
京王バスでは年間4万件の遺失物を紙の台帳で管理。京王電鉄ではグループのインシデントをサポートするセキュリティポータルが全社導入できていなかった

2011年から虻川氏は京王電鉄バス株式会社に出向していた。そこでは社内の主要業務以外にはシステム化にあまり手が回っておらず、営業所や工場にヒアリングに行くと現場の人たちがマクロを活用して作成したExcelファイルなどで業務をまわしているものが多く存在していた。

「現場の人達の苦労で業務が成り立っていても、すでにまわっているように見える業務のシステム化にはなかなか予算はつかないものです。現場で困っている業務を見つけた時に、私たちシステム部門が動けば改善できるような仕組みがほしいと思っていました。そこで容易に内製化でき迅速に対応できるkintoneに出会いました。サブスクリプションモデルのサービスですので、必要な分のアカウントが何らかのきっかけで用意できれば、社内業務を一気に改善できると考えました。
きっかけにしたのは、警察が遺失物の受け渡し情報をデータ化するというタイミングで遺失物管理システム構築に予算が付いていたので、それを利用させてもらいkintoneを導入しました」(虻川氏)

京王電鉄株式会社 経営統括本部 IT管理部長 虻川 勝彦 様
虻川 勝彦 様
京王電鉄株式会社 経営統括本部 IT管理部長

当時はバス内で見つかった遺失物を紙の台帳で管理していたという。遺失物は年間4万件以上もあり、お客様からの問合せに対しても台帳を確認するためには時間がかかり、お待たせすることも多い状況だった。これを解消するためと警察へのデータでの遺失物情報提出を実現するためにkintoneで遺失物管理システムを構築することを思いついた。

遺失物管理アプリは2015年4月にリリースした。開発期間は業務プロセスの見直しから始めて約2ヶ月。予算の7〜8分の1のコストで構築できたという。

「kintoneはとても簡単なので、ちょっとレクチャーすればすぐにアプリを構築できます。私がいなくなっても負荷をできるだけかけずに育てていけるものがあったほうがいいだろうと思ったのです。kintoneは活用すればするほどコスト的にもメリットがでますから、当社にはマッチしていたと思います」(虻川氏)

遺失物管理アプリに続き、添乗評価アプリや指導履歴なども短期間で作成し次々と業務改善を推進していった。現在でも多くのアプリが京王電鉄バス内で活用されている。

虻川氏は2017年に京王電鉄に戻り、京王SIRTという京王グループでセキュリティインシデントが発生した時に対応する組織を運営しているのだが、そこでまた新たな課題に直面する。

「京王グループ各社にセキュリティの専門家をそれぞれ用意するなどということはできません。そこで、インシデントが起きたときに、これを検知する仕組みや対応方法をサポートするポータルを展開しているのですが、当時利用していたツールのコストが高くて、全社(全グループ)での展開ができていませんでした」(虻川氏)

インシデントとは、セキュリティに問題のある出来事、という意味で、例えばパソコンがウィルスに感染するような事態のこと。ウィルスを検知すると、京王SIRTのサーバーにログが上がり、セキュリティポータルを通じてインシデントが起きた会社の担当者への対応サポートができるようになっている。この全社導入が滞っていたのだ。

京王電鉄バスでkintoneの導入を成功させた虻川氏は、京王グループのインシデントが発生した際に、情報の告知から対処方法などのやり取りをグループ横串で行うコミュニケーションインフラとしてkintoneを採用。グループのシステム会社である京王ITソリューションズの業務改善への意識の高いメンバーを集め勉強会を開催し、今ではkintone開発部隊ができてサービスを展開できるようになったという。

セキュリティポータル
セキュリティポータル

「予算の問題で全社導入できなかったセキュリティポータルですが、kintoneなら半分以下のコストで全社展開することができました。コミュニケーションインフラとして使ったことでkintoneを知ったグループ会社がこれ結構使えるんじゃないですか?といったように興味を持ち、さらなる広がりを見せています」(虻川氏)

【導入】
データ一覧をもっと見やすくすることでExcelベース業務のkintoneへの移行が加速

組織の整備と教育により、グループ内にkintoneを使う下地を次々と拡充したことで、Excelで運用していた業務の改善が進んでいった。Excelでの業務管理時代には、新人がExcelファイルの計算式を勝手に変えてしまうというトラブルも起きたそうだが、そうしたことも減りつつある。しかしその一方で次の課題も浮かび上がってきた。標準UIの使い勝手についてだ。

「現在Excelを利用している業務でkintone移行できない業務が結構ありました。現場の人にkintoneを見せたときに1画面で表示できる情報量が少なすぎてこれでは生産性が下がると言われたこともあります」(虻川氏)

多くの企業でそうであるように、やはり現場業務を行う人には、kintoneをExcelのように使いたい、という強いニーズがあったようだ。そのため、kintone の一覧でExcelライクのUIを利用できるという「krewSheet」を知ったときは即決だったという。

krewSheet導入前の課題
  • 一覧の視認性を向上しレコード数の多いアプリでも情報を扱いやすくしたい
  • kintoneの導入を進めようとしたら現場からExcelのように使えないかと言われた
  • kintoneをカスタマイズせず、Excel数式のように動的に計算をしたい
    (例:TODAY関数のように社員の勤続年数や年齢を動的に計算する等)

【効果】
情報量の多い表でもkintoneに移行でき標準UIになじめなかった人も受け入れてくれた

「krewSheet」を導入することで、Excelで管理していた情報の移行が進んでおり、現在は予算管理まで行っている。「krewSheetは一覧表示できる情報量が多く、大量のレコードがあるアプリでも便利に使えます。例えば、サブテーブルに集計行を入れて、画面上で簡易集計も見られます。地味ですが、「krewSheet」がなければExcelに戻っていましたね」と高田氏は笑った。

セルの幅の調整もしやすく、TODAY関数で勤続年数や年齢の計算も可能になった。kintoneの計算フィールドではデータ更新をしないと勤続年数が最新状態にならないが、krewSheetの数式は画面の表示時に再計算できるため、常に最新の勤続年数を画面上で確認できる。年齢や勤続年数など動的に計算が必要な場合に特に有効だ。さらに、kintoneアプリのアクセス権を設定することで、新人が勝手に数式を変更するトラブルも起きなくなった。

京王電鉄株式会社経営統括本部 IT管理部グループIT担当 課長補佐 高田 英明 様
高田 英明 様
京王電鉄株式会社経営統括本部 IT管理部グループIT担当 課長補佐
today関数による勤続年数の算出

「Excelで管理するしかないと考えていた表を「krewSheet」を入れることでアプリ化できるようになったのは大きいです。kintoneのUIになじめなかった人も、「krewSheet」を見せると、これならいけそうですねという反応になります。今後は、さらにグループ会社の各業務をデジタル化することに積極的に取り組んでいこうと思っています」(高田氏)

実際、予算管理や従業員管理といったアプリ以外にも、「krewSheet」が決め手でアプリ化まで行けるものが増えたことで、kintone活用が進み業務効率を向上している。

加えて、虻川氏は2018年に感性AI株式会社も設立し、CEOに就任した。京王電鉄株式会社と国立大学法人電気通信大学の坂本真樹教授との共同出資で、同大学発のベンチャーに認定されている。京王グループ56番目の子会社となり、可視化しにくい人の感覚や感性を人工知能により定量化することで、潜在的な顧客ニーズを掘り起し、人の感覚を活かした製品の開発から販売までをトータルでサポートするサービスを提供している。

もちろんkintoneと「krewSheet」は最初から導入している。必要な業務プロセスが発生すれば、すぐにkintoneアプリを作成しているそうだ。

インタビュー風景

虻川氏現るところ、kintoneと「krewSheet」あり、という状況になっているが、老舗企業でもものすごいスピードでkintoneの導入が進んでいるのが驚異的。その普及を支えているのが、ExcelライクなUIと機能を利用できる「krewSheet」となっているのだ。今後も、京王電鉄はkintoneを活用し、業務効率の改善をぐいぐいと進めていくことだろう。

krewSheetの導入効果
  • ExcelライクのUIで大量のレコードも快適に一覧できるようになった
  • kintoneのUIには馴染めなかった人が受け入れるようになった
  • Excel関数を利用してさまざまな計算ができるようになった