導入事例

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ジヤトコ株式会社様

業種:
製造業

利用用途:
予実管理、外部企業との情報管理、タスク管理

使用製品:
krewSheet・krewData・krewDashboard

ジヤトコ株式会社 メインビジュアル

Excelの操作に慣れた現場の声に応えるkrewSheetが、kintoneをユーザー主体の業務改善アプリ開発基盤に押し上げる

ジヤトコ株式会社は、自動車用自動変速機(AT・CVT)の開発、製造、販売を行っている製造業。
国内10拠点、海外8か国13拠点に展開しており、従業員は1万4800名となっている。自動変速機の中でも特にCVTの分野ではグローバルシェア35%を誇り、もちろんトップシェアだ。

ジヤトコでは700社のサプライヤーから情報を収集するため、2018年にkintoneを導入。その成功例をフックに、全社活用が推進されることになった。その際に、「krewSheet」を導入。Excel風のユーザーインターフェースを採用することで、誰でも利用できるようにした。その後、ユーザー主体の小規模業務改善アプリ作成プラットフォームとして活用が進み、現在では「krewData」と「krewDashboard」も導入している。

今回は、ジヤトコ株式会社 情報システム部主担 岩男智明氏と同じ情報システム部の松尾有紗氏にお話を伺った。

【課題】700社からの情報収集をExcel&メールで行っていた

CVTを製造するに当たり、多数のサプライヤーから部品を調達する必要がある。ジヤトコの取引先は、なんと700社にもなっている。その700社から企業情報を収集する際に、従来は調査票をExcelで作成して、メールで送信していた。サプライヤーはメールを受信したらファイルをPCに保存し、Excelで開いて書き込み、メールに添付して回答するという手順を踏んでいた。回答されたExcelファイルはジヤトコの窓口担当がファイルサーバーに保存し、別の担当者がVBマクロを駆使しながら集約し、報告するという流れだ。

それでも、なんとか手間をかけてやっていたのだが、とても回答率が悪いという課題があった。本来は、1ヶ月くらいで収集したいのに、2週間経っても回答率は10%程度で、3週間経っても30%くらいにしかならなかったという。そこで、専用のスタッフを使い、回答していない企業に催促していたそう。それでも1ヶ月後に50%集れば良い方という感じだった。

情報システム部主担 岩男  智明様
岩男 智明様
情報システム部主担

【導入】働き方改革を狙いkintoneとkrewSheetを導入した

2017年はちょうど働き方改革が盛り上がってきたところで、ジヤトコでも何かしら改善しようと考えたそう。メーカーとサプライヤー間で情報共有するためのB to Bサービスは他にもある。しかし、情報共有や情報提供はあるが、情報収集に特化するソリューションはなかったという。そんな中、あるベンダーからkintoneを紹介されたのが導入のきっかけだそう。

調査票をkintoneと連携できるトヨクモのフォーム作成ツール「フォームブリッジ」で作成し、サプライヤーにそのURLをメールで送り、回答を依頼する。先方が回答すれば、kintone上でリアルタイムに結果が反映される。従来、集計に7ステップかけていた手間が4ステップに圧縮できた。回答率は2週間で90%を超えるようになり、リードタイムは大幅に改善。データの集約時間も不要になった

「調査票アプリは現場のユーザーが作成しました。ユーザー自身が作れるくらい簡単な仕組みを、もっと他の業務活用にも使えないものかと調査検討を進めた結果、これは、業務改善プラットフォームとして使える、と実感したので導入することになりました」(岩男氏)

調査票アプリの導入効果
調査票アプリの導入効果
Excelのインターフェースを求めるユーザーの声が多数挙がる

調査票アプリの成功により、効果測定をクリアしたことでkintoneの活用を進めることになった。そこで、岩男氏は社内のいろいろな人にkintoneのメリットや活用法を説明して回ったそう。しかし、一筋縄には行かなかった。他のスタッフに使ってもらったところ、様々な意見が寄せられたのだ。

皆さんが問題視するポイントが出てきました。kintoneの標準画面では、データの入力・更新・整形がしにくいというのです。例えば、列(項目)が増えると、列固定や列幅の固定ができず横スクロールが発生するなど、Excelならできるのに、という声が多かったのです。私は当初、これはExcelじゃないのだから同じものを求めるな、と言っていたのですが、Excelのインターフェースはそれだけ優れているんだと理解を改めました」(岩男氏)

個別のニーズに対応するプラグインを複数入れて対応することもできたが、その分運用負荷は高くなっていく。そんな時、サイボウズで行っていたハンズオンセミナーで紹介された「krewSheet」が目に付いた。Excelインターフェースなら新しい仕事をする環境として使えるね、と評価され、採用することになった。

例えば、予実算管理アプリには1年分12個のデータを入れるが、編集フィールドに12回データを入れるのは手間がかかる。Excelのインターフェースの「krewSheet」であれば、1回のコピー&ペーストで済んでしまうので簡単だ。

なお、プラグインはOKだが、ジヤトコではJavaScriptで機能拡張することを認めていない。コーディングすればいろいろなことができるが、保守の手間は大変な負担となる。さらに、メンテナンスが必要になったときに、作った人がいないということもよくあること。以前は、そうやって誰もいじれなくなったExcelやAccessのファイルがたくさんあったという。

プラグインについても、運用負荷を減らすために汎用的に使えるものを採用しています。kintoneがバージョンアップした場合でも、私たちが手を動かす必要がなく、プラグインの開発元企業がきちんとサポートしてくれるからです。プラグインの採用に関してはベンダーさんに相談しています。krewを使いたいと言ったら、グレープシティなら大丈夫、むしろオススメします、と言われました」(岩男氏)

今のところ、アプリを作成する人は、情報システム部が7で、現場のユーザーが3くらいの割合だそう。とは言え、あくまでもユーザー主体の小規模業務改善アプリ作成プラットフォームという位置づけで、開発はユーザーが行い、情報システム部がサポートする仕組みになっている。

「ユーザーがアプリを自由に作れるようにすると、アプリ数の上限に引っかかったり、定期的にアプリを見直す際に問題が出てきます。情報システム部が不要だと思っても、勝手に消すわけにはいきません。そこで、責任者を必ず設定し、その責任において適切に運用してください、とお願いしています。何か確認することが出た場合でも、責任者が明確になっていれば簡単に連絡できます」(岩男氏)

【導入効果】社内活用が広まり作業時間の圧縮やミスの防止を実現

kintoneとkrewSheetを導入することで、集約業務の工数を大幅に削減できた。従来は半日かかっていた作業から解放され、帳票を分けなくても他の人のデータをいじってしまうメンテナンスミスも回避できるようになった。データの入力も簡単になり、多くのユーザーが活用し始めている。現在のアカウント数は310名だが、近いうちに440名規模に増える予定だ。さらに、セキュリティパッチの適用作業でも大きな効果を得られた。

「2017年にランサムウェアの「WannaCry」が発生し、製造業にも大きな影響を及ぼしました。弊社では全PC・サーバーに対して、セキュリティパッチを適用しました。デイリーで状況をトラックして、未適用のところに手を打つという対応をしたのですが、毎日夕方の4時から5時まで、集計のために私の時間が取られる状況になってしまって、とても大変でした」(岩男氏)

今年、5月から7月にかけて、マイクロソフトから大きなセキュリティホールが発表された。ここでも同様の作業が発生したが、せっかくなので「kintone」と「krewSheet」を活用。セキュリティパッチの適用状況を入れられるフォームをあらかじめ用意して、ユーザーが入力しなくてもいい部分には権限設定をして入力できないようにした。ユーザーは、指定のセルに実績を入れるように伝えただけで、集計できるようになった。集計コストがゼロになり、メンテナンスミスもなくなったのだ

そんな中、「krewSheet」だけでは解決が難しい課題が出てきた。予実管理アプリでは、案件ごとにいつお金が使われるのかというのが12ヶ月分並んでいる。入力はしやすいものの、それぞれ月ごとの値が別々のフィールドになるため、累計演算などを用いたデータ分析に活用し難く、岩男氏はどうしていいのか悩んでいたそう。

そんな時に「krewData」のリリースをいただいたのでトライアルで使ってみたら、すぐに解決できてしまいました。早速正式に導入し、今では「krewData」がないとちゃんとアプリが作れない、といろんなユーザーから声をいただくほど活用しています」(岩男氏)

krew導入による予実管理の効率化
krew導入による予実管理の効率化

ITのプロフェッショナルである岩男氏だけでなく、新入社員の松尾氏も「kintone」と「krew」を使いこなしている。例えば、未使用資産アプリでは、紙やねじ、ゴムといった購入品を固定資産として扱い、半期に一度会計処理を行う。データは全部で2万件くらいあるのだが、費目ごとに整理・整形して24カテゴリにサマライズする必要があるそう。この分類を行うため、いろんなところからデータを引っ張ってくるのだが、松尾氏は何も知らない状態からこのシステムを1週間で作ったという

「krewData」のアイコンを見ればどんな操作をするのかがわかりやすかったのと、Excelでは面倒だった作業を、「kintone」と「krewSheet」「krewData」を使えば簡単にできて、ストレスが減ると感じました」(松尾氏)

情報システム部 松尾 有紗様
松尾 有紗様
情報システム部

このハードルの低さが、「kintone」と「krew」の大きなメリットと言えるだろう。
kintoneをユーザー主体の小規模業務改善アプリ作成プラットフォームとして活用しているため、情報システム部だけでなく、ユーザーは誰でもアプリを作成できる形で運用している。
初めはトライアルアプリという位置づけで、作成して業務で実運用するときは責任者をつけて申請してもらう仕組みにしている。これまでにアプリは400個作成され、主に稼働しているのは30個くらいだという。

「「krewSheet」だけでも十分だと思っていましたが、「krewData」が加わったことで、今までExcelでやっていた整形や集計といった処理が楽になりました。「krewDashboard」に関しては正直未知数ですが、稼働モニターなどで活用できればいいなと思っています。便利な武器を手に入れたので、いろんな活用事例を作って広げていきたいです」(岩男氏)

アプリごとに責任者を立てる、機能拡張はJavaScriptによる個別開発を禁止し汎用性の高いプラグインを利用する、命名規約やプラグインの採用基準といった運用ルールの整備は情報システム部が実施する、といった形で責任の所在を明確にすることで「良い運用体制」を実現し、「kintone」による業務改善をしっかりと根付かせたジヤトコでは今後も、社内での活用を広め、業務改善に寄与していくことだろう。

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