導入事例

株式会社サイバーエージェント様ロゴ

株式会社サイバーエージェント様

業種:
情報通信業

利用用途:
販売管理、購買管理など業務基盤全般

使用製品:
krewSheet

メインビジュアル

Excelでもできなかったkintoneが持つサブテーブルの良さを引き出す、アプリ作成の考え方が劇的に変わったkrewSheet

インターネット産業を軸に「21世紀を代表する会社を創る」ことをビジョンに据え、インターネット広告事業やゲーム事業、投資育成事業、そして「AbemaTV」などを運営するメディア事業を展開している株式会社サイバーエージェント。事業の基盤となる販売管理や購買管理などの業務システムの提供から情報の管理活用までを行っている経営システム室では、サイボウズが提供するkintoneをその業務基盤に据え、使い勝手を高めるためにグレープシティの「krewSheet」を採用している。その経緯について、経営本部 経営システム室 マネージャー 中澤 洋雄氏にお話を伺った。

【課題】決算ワンボタン構想を進めるために重要な使い勝手の改善に着手

業務基盤となるDOXが進める決算ワンボタン構想

1998年に産声を上げ、今やグループ全体で4000憶円を超える売上規模を誇る株式会社サイバーエージェント。
2018年9月時点で109の連結子会社および13の関連会社を持ち、現在も新たな領域への積極的な投資を行いながら、新事業を次々と立ち上げている。そのため、業務を支えるバックエンドの仕組みを現場へいち早く展開するべく、これまでの使い勝手の優れたExcelを利用した業務管理から脱却し、ガバナンスの効いた環境を整備するプロジェクトがスタート。案件発生から請求処理、会計への仕訳データを作成する販売管理はもちろん、備品や業務委託費などすべての請求書を一括で管理する購買管理の仕組みを、サイボウズが提供するkintoneにて構築し、新たにDOXと呼ぶ業務基盤として展開。新規事業が立ち上がるタイミングで経営システム室がDOX環境を現場に提供することで、迅速な事業展開が可能になっている。

DOX:バックオフィス業務効率化システム
DOX:バックオフィス業務効率化システム

そんなDOX環境を提供している経営システム室では、情報を入力してボタンを押した段階で、最終的な決算開示情報まで一気に処理が完了する“決算ワンボタン構想”を強力に推進している。「現状では、決算発表までに最大でも15営業日ほどが必要ですが、この決算ワンボタン構想によって、月初の1日目に処理が終えられるような仕組みを目指しています」と中澤氏はその構想について語る。この構想を実現するためには、業務システムとして現場が入力するkintoneとともに、会計や人事など基幹システムとの連携を行うアステリアのASTERIA Warpによるシステムが欠かせない。また、構想におけるコンセプトの1つである“入口・即出口・リバースチェーン”を随所に取り入れている。一例を挙げると、現場の入口としてkintoneで入力した情報が会計システムまで一気通貫で流れることで入り口即出口を実現するだけでなく、その情報を必要な情報を時系列に蓄積した分析用の統合データベースとなるDWH(Data WareHouse)に格納してデータ分析および可視化を行うBIツールのTableauにて現場に還元するというリバースチェーンを実現していると中澤氏は説明する。

kintone標準では表現できないExcelの使い勝手の良さを現場が求める

決算ワンボタン構想を実現するためには、大原則として現場にkinonteを活用してもらうことが必要となるため、いかに現場に使いやすく、負担をかけることなく活用してもらえるかが重要になってくる。「kintoneを使って業務システム基盤が提供できるようになったことで、属人化した運用にならざるを得ないExcelから脱却でき、ガバナンスの面でも大きな効果をもたらしました。しかし、これまでExcelを利用してきた現場からすると、簡単にコピー&ペーストして大量にデータ投入できない、集計などに便利なExcelの関数が使えないなど、使い勝手の面では課題が顕在化しており、多少現場に無理をお願いする場面もあったのです」と中澤氏。kintone標準では表現できないような管理表が移行できずに残ってしまっていただけでなく、1つのレコードに対して詳細な情報が管理できるkintoneに備わったサブテーブルの機能を標準で使うと一部参照しづらい部分もあるなど、便利なkintoneながら使い勝手の面で改善の余地があったという。

【導入】krewSheetとの出会いがkintoneの可能性を広げる

使い勝手を向上させることは、決算ワンボタン構想を推し進める経営システム室としても重要だった。「私が現場に赴いて意見を求めると、長年使ってきたExcelのほうが使いやすいという意見をいただくことも。決算ワンボタン構想をより現実のものにするためには、現場に負担なく入力してもらえるかが重要だったのです」と中澤氏。そこで、現場に納得してもらえる、より使いやすい仕組みがないか模索することになる。「当初はブラウザ上でExcelのように使える別の仕組みを検討したものの、DOXで業務の標準化を実現していることもあり、現場に新たな仕組みを展開するのは避けたかった。いっそのこと新たな仕組みに乗り換えることも頭をよぎりましたが、今まで積み上げてきたものがゼロになってしまう。どうしたものかと思案していたのです」。

サイバーエージェントの業務システム設計の考え方

サイバーエージェントの業務システム設計の考え方

決算ワンボタン構想

決算ワンボタン構想

そんな折に中澤氏が出会ったのが、kintoneのレコード一覧をまるでExcelのように表示、編集できるプラグイン「krewSheet」だった。実は、Excelライクな操作性でWebアプリケーションが開発できる「Forguncy(フォーガンシー)」を検討したことがあり、グレープシティの存在は認知していたという。そのグレープシティから新たに登場したのがkintoneのプラグインとして活用できるkrewSheetだった。「“Excelまんまだな”というのが触ったときの正直な感想です。krewSheetであれば、現場が抱えていた使い勝手に関する課題を解決できるだけでなく、アプリを開発する我々もExcelをイメージして設計できる。スプレッドシート関連のソリューションに長けているグレープシティが提供していることもあり、これしかないと感じたのです」と中澤氏は当時の印象を振り返る。

実際には1か月のトライアル期間を経て、現場にも適用できることを実感した中澤氏。「チーム内で触ったうえで効果が見込めると判断。週一で行う役員とのミーティング時に、現場の使い勝手改善に大きく役立つkrewSheetについて話をしたところ、即決で導入する運びとなったのです」。その結果、既存のDOXにて実装されているアプリに対するkintoneプラグインとして、krewSheetが導入されることになったのだ。

【導入効果】kintoneの魅力を引き出すkrewSheetがアプリ作成の考え方を変える

krewSheet適用がデフォルトに、kintone標準では実現できなかった業務にも展開

現在は、DOXが提供する販売管理や購買管理はもちろん、AppleやGoogleと連携して販売管理を行う“ゲームDOX”や人事部門がDOXのように現場から情報を吸い上げる仕組みをkintoneにて構築しており、社内全体で2800ほどアプリがkintoneで作られている。このうち300を超えるアプリにkrewSheetが適用されており、今では新たに作成するほぼすべてのアプリにはkrewSheetを適用している状況だ。「JavaScriptで作り込んでいるアプリは難しいケースがありますが、過去に作成したアプリについては現場からの改善要望があるタイミングでkrewSheetを適用するようにしています」。

なお、基本的にはkintoneおよびkrewSheetを用いたアプリは、最終的に基幹システムまでシームレスにデータ連携が行われることになるため、経営システム室にて作成したうえで現場に提供している状況だ。

経営本部 経営システム室 マネージャー 中澤 洋雄氏
中澤 洋雄様
経営本部 経営システム室 マネージャー

krewSheetを適用した業務の一例を挙げると、事業ごとに開設する銀行口座に関する「銀行印押印稟議」アプリでは、口座ごとに管理者、申請者、承認者の3名で管理している情報を、krewSheetをベースにkintoneのサブテーブルを用いて管理している。口座情報のテーブル情報をクリックするとその下にサブテーブルが表示され、誰がいつどの申請者に対して銀行印の申請が行われたのかといった承認状況が、画面を切り替えることなく表示できるようになる。「視認性の高いkrewSheetがなければ、この仕組みは実現していません」。また、以前はGoogleのスプレッドシート上で経理担当者同士が共有していた内部取引の情報をkintoneにて共有し、その情報管理をkrewSheetで行っている。「連結システムの情報をkintoneに取り込み、内部取引の調整を行ったうえで再度連結システムに戻す処理を行っています。Googleのスプレッドシートでは複数同時にアクセスするとフォーマットが壊れてしまうことがあったのですが、kintoneおよびkrewSheetに切り替えたことで安定して動作し、なおかつスプレッドシート同様の使い勝手が実現できています」と中澤氏は評価する。

krewSheetを使った銀行印押印稟議アプリの画面

krewSheetを使った銀行印押印稟議アプリの画面

JavaScriptからkrewSheetで制御するという考え方に切り替わる

krewSheetをプラグインとして導入したことで、アプリそのものを開発する考え方も大きく変わったと中澤氏は指摘する。「ちょっとした制御を行うためには、これまではJavaScriptを駆使して実装していましたが、今ではkrewSheetが持つ関数を使って基本的な制御は行う考え方に変わっています。kintone自体は標準的なデータベースとして活用し、何か処理を入れるのであればkrewSheetで制御、外部との連携が必要な場合はASTERIA Warpを呼び出すというやり方です」。

また、kintoneが持つサブテーブルを生かすためにkrewSheetを積極的に活用するようになっている。「レコードの一覧を見ただけでは分からないサブテーブルの情報も、グルーピングされた状態で中身が見えるようになるなど、サブテーブルそのものの良さがkrewSheetによって生かせるようになりました。普段の業務でやっていることの発想がそのまま再現できています。このようなデータの持たせ方はExcelでもできません」と中澤氏は評価する。

現場からは、これまで参照しづらいかったサブテーブルが一目で分かり、Excelのようなコピー&ペーストも容易でセルごとに色分けすることもできるようになったと好評だ。「とても使いやすくなったと評判で、うちでも使いたいという声が数多く寄せられています。正直、krewSheetがなければここまでkintoneが活用できなかった」と中澤氏。なお、アプリによっては数式列や条件付き書式などを1つのシートに数多く埋め込んでいるものもあるが、レスポンスについても業務上問題になるようなことはなく、快適に利用できるようになっていると評価も高い

kintoneとkrewSheetをセットにして業務展開を続ける

今後については、既存アプリも含めて現場の要望があればkrewSheetを適用していきながら、ガバナンスを考慮しつつ、アプリ作成に関する権限を現場にも拡張していくなど、活用用途をさらに広げていきたい考えだ。「多くの現場がExcelを活用して管理帳票を作成しているケースが多いため、新たな現場への展開についてはkintoneとkrewSheetをセットにして展開していきたいと考えています。帳票が壊れないように、かつマスター化して現場に展開しやすくなったのは大きいですね」と最後に締めくくった。