脱Excelでチーム成果をあげる案件管理ツール選び

さまざまな業務の案件管理に使われているExcel。Excelは情報を自由に書き込めることができ、集計もできる、グラフも作成できてとても便利ですが、案件管理ツールとして部門全体で利用しチームでの業務成果を上げるという観点では限界があります。本記事では、業務部門のメンバーが案件管理をExcelで行う場合と、サイボウズのグループウェア「kintone(キントーン)」で行う場合を比較し、Excelによる案件管理方法でチーム業績を上げることについての課題を考察します。

2018年4月25日


優れた案件管理とは

案件管理の内容は業務ごとにさまざまですが、基本的には下記情報について業務メンバーに共有し、情報の可視化と手法の共有による作業分担を促す情報管理のことを指します。

  • 案件に関する情報
  • 担当者に関する情報
  • かかった時間や費用の管理
  • 進捗状況
  • 活動履歴

案件管理で業務成果を出すためには活動を通じて刻々と変化していく情報を視覚化し、メンバーに迅速に共有することが大切です。「営業案件」の場合であれば、

  • 問い合わせが発生した
  • 商談製品が変わった
  • 先方担当者が変わった

といった情報をメンバーがいつでも見えるようになれば、誰がいつどのような活動を行い、その結果として今その案件はどういう状況にあるのか、次は誰が何を行えばよいのかを推測でき、チーム全体での業績の向上を期待できます。

Excelによる案件管理

では、このような営業案件管理をExcelで行う場合を考えてみましょう。

1つの営業案件ごとに顧客情報や商談製品や金額、履歴が入力されたExcelファイルに情報を登録して、そのファイルを共有したとしましょう。ある取引先の進行中商談を知りたい場合は、該当のファイルを探して中を確認しなければなりませんが、たくさんのExcelファイルが共有されていたら目的の情報を探すだけでも苦労します。

前述のとおり案件管理では刻々と変化する状況に素早く対応することが重要ですが、状況が変わった時に担当営業がExcelファイルの中身を書き換えたとしても誰も気づきません。メールでメンバーに周知するという2段階の作業になります。

ファイルに書かれた個々の情報の質が高いものだったとしても、情報の可視化やチームメンバーへの迅速な共有ができなければ、業務成果は望めません。

Excelは自由度も高く多くの機能があるので個人が作業を行うには良いツールですがチームでの協業には不向きです。この情報共有性とリアルタイム性の乏しさが脱Excelを検討する際のポイントになるようです。

kintone(キントーン)による案件管理

一方、グループウェアのkintone(キントーン)を使った案件管理はどうなるのか見てみましょう。

kintoneはExcelと同様に項目を自由に登録できるアプリ作成機能(データベース)がありますので、営業案件の場合は顧客情報や案件情報、活動履歴、問い合わせ情報を持ったアプリを作成できます。

案件データの登録と編集、削除はすべてアプリ上で行います。アプリにアクセスする権限があれば誰でも案件内容を見たり情報を追加したり変更したりできます。変更したデータはすぐに保存され、いつ誰が何を変更したのか履歴が自動的に残ります。

さらにkintoneには個々の案件に対してメンバー間でディスカッションできるメッセージ機能が組み込まれています。メッセージが書き込まれると、アプリにログインしていなくてもメンバーにメールで通知されます。

kintoneの案件管理アプリの画面
案件活動履歴アプリの画面
デモで確認する

案件管理におけるチームでの生産性と個人の生産性

案件管理によりチームで成果を出すには情報の可視化と迅速な共有が大切ですが、チームメンバー個々の生産性はどうでしょう?

kintoneに限らずグループウェアを使っている現場担当者の声として代表的なのが入力・編集操作への不満です。日本の企業ではExcelによる案件管理が定着したためExcelのような複数データの一括編集やフィルタリングなどの操作性を求める声が多いのは周知の事実です。

案件管理では状況が変化するごとに活動履歴を入力し、進捗状況を変更しなければなりませんので、そのたびに対象を検索して詳細画面を開き、データ編集を繰り返すのでは実質的な作業時間が増大します。

この点においてセルコピーやフィルタリング、条件付き書式などの機能が使えるExcelのほうが個人の生産性は高いといえます。

kintone + krewSheet(クルー)による案件管理

個人の生産性と情報共有性や可視化によるチームの生産性を秤にかけ、Excelを選ぶ(選んだ)という例はいくつもあります。これは業務の内容や管理したい情報の持ち方による判断なのでどちらが良いとは言えません。しかし、kintoneプラグインの「krewSheet(クルーシート)」でkintoneを利用しつつExcelの入力操作性を再現するという手段もあります。

krewSheetはkintoneの一覧をExcelのような操作性の一覧にできるプラグインです。1案件をExcelの1行のように表示し、各項目の値がセルに入ります。データの追加や削除は行の挿入行の削除といったExcelでの操作とほぼ同じ。見出し列上でのデータフィルタや検索・置き換え、条件付き書式といった機能もExcelとほとんど同じです。データはkintone上にあるのでメッセージ機能や通知機能、データ管理機能などはすべてkintoneが行います。情報が更新される頻度が高い、個人の作業量が多いといった案件管理の場合は特に効果が出やすい方法です。

krewSheetを使ったkintoneの一覧画面
案件管理アプリの画面
デモで確認する

脱Excelでチーム成果を出すための案件管理のまとめ

繰り返しになりますが、案件管理業務で重要なことは、案件情報や状況の変化にチームメンバーが即応できることです。そのためには「情報の可視化」と「迅速な情報共有」ができる仕組みが必要です。

Excelファイルによる共有では難しいこうした仕組みが、kintoneには予め組み込まれているため、チームでの協業に向いています。一方、Excelの強力な入力支援や視認性を高める機能はメンバー個々の作業効率を高めます。

kintoneにExcelの機能を付与するkrewSheetプラグインを利用することで、チームでの生産性と個人の生産性の両方を高めることが可能になりますので、Excel業務に課題を感じたときにはこの選択肢をご検討ください。

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